11月に情報が出たSchon Dsgn(ショーン・デザイン)の万年筆の新作ニブ(ニブ単品または軸とのセット)が発売されています。
「Monoc Nib(モノックニブ)」は、ショーン・デザインが3年以上をかけて開発した同社初の自社製ペン先です。「Monoc」はフランス語における「モノコック」を意味しています。
円筒、あるいは円錐に近い美しい形状が特徴的で、グレード5のチタン無垢材からの削り出しで制作されており、ペン先となる先端部分から後部ハウジングまでがチタン製の一体型となっています。
ペンポイントも一般的な溶接による取り付けではなく、ペン先とともにチタンから削り出されており、チタン素材を生かしたソフトな書き味を可能にしています。加えて、ペン先自体に厚みを加えることにより、既存のチタン製ニブよりもしなりを正確にコントロールできるとのこと。
ただし、このニブの開発とデザインは、新しい筆記体験、チタン製ニブへのアプローチ、新たな製法についてのパイオニアになることを目的としており、"全ての万年筆ファンの期待に合うことはありません。" と公式に説明されているように、やや独特なフィーリングがあるのかもしれません。
筆記幅については、当記事作成時点では1種のみ。米公式サイトのブログでは、"medium/broad"(中字/太字)としており、セーラーのインクでロディアの紙に書いて、約0.5ミリ幅程度となるようです(製造に手作業もあり、個体差があります)。その他のサイズも開発中で、2023年後半に登場予定となっています。
フィーダー(ペン芯/櫛溝)は装着済みで、素材にはGE社の強化樹脂、ウルテム(ULTEM)を使用しています。ウルテムは耐熱性、耐候性、耐薬品性に優れ、ショーン・デザインでも万年筆「ULTEM PEN」で軸素材として採用していました。
「Monoc Nib」は、既に発売済みのショーン・デザイン製万年筆のうち、JOWO社製ニブを採用しているモデルに対応します。気密用のOリングがセットされているため、軸内を直接インクタンクとするアイドロッパー方式にも対応します。また、カートリッジとコンバーターはヨーロッパタイプが使用できます。
バリエーションとして、フィーダーの色はウルテム樹脂由来の琥珀色、またはブラックが選択でき、ロゴの刻印("SCHON"と"☆")はブルー、レインボー、色なしが選択できます
国内価格は「Monoc Nib」単品で55000円税込。
また、「Monoc Nib」とブラックアルミ軸をセットにした製品も発売されます。これは同社の「Full Sized Fountain Pen」と同型の軸と思われます。価格は88000円税込。(なぜか米公式サイトでは「Monoc Nib」単品での発売はないようです)
米公式サイトのブログによると、本作はSCHON DSGNの主力製品となり、限定品ではないので、その点では購入を焦る必要はないようです。しかし月産数が決まっているため、納期が長くなる可能性については注意が必要かもしれません。
[ショーン・デザイン日本公式サイト(モノックニブ)]※こちらから注文可能
[SCHON DSGN(The Monoc Nib)]※日本公式にリダイレクトされる前に更新を止めると読めたり読めなかったりします(;^ω^)
※以下で「Monoc Nib」の販売があるかは不明