世界の筆記具販売などに始まり、オリジナルのブランドとして万年筆や腕時計も手がけているWANCHERが、満を持して万年筆のキックスタータープロジェクトをローンチ、成功を収めています。
Dream Pen 夢万年筆は、ワンチャーによる国産エボナイト素材や伝統工芸の使用にこだわった万年筆です。
本体形状は葉巻型でクリップはなく、古典的で曲線の美しいシンプルなデザイン。軸やキャップ、グリップ、ペン芯など、ほとんどの構成パーツに日本製のエボナイトが用いられています。ペン芯はアメリカのフレックスニブの工場(Flex Nib Factoryとなっていますが、どこでしょう?)にて加工されたもののようで、ニブにはドイツのJOWO社の#6号が使われています。筆記幅はEF、F、M、Bから選べます。
モデルは誠エボナイト、誠漆、誠蒔絵の3つがあり、それぞれにニブや軸色などの違いでバリエーションが存在しています。全モデル、コンバーターとペンケース(ペン着物)が付属し、日本製木箱に入っています。
誠エボナイト(True Ebonite)は軸への塗装などはなく、(おそらく)エボナイト地肌のモデル。このモデルのみ、標準のペン先がステンレス製で、仕上げとしてステンレスかゴールドプレートが選択可。また、11000円の追加で18kまたは14kの金ペンにアップグレードも可能なようです。さらに、資金調達額がストレッチゴールを達成したことより、ツートーンのステンレスニブも選択可能となりました。
誠漆(True Urushi)は漆塗りのモデルで、軸色は漆黒(黒)、漆赤(朱)、漆青(紺)の3色に加え、溜塗(ためぬり)を施した溜塗赤(赤溜)があります。また、ストレッチゴールの達成により、投票で選ばれた漆緑(みどり)も追加され、さらにもう一色が今後追加されます。
ペン先は素材に18kか14k、仕上げ(カラー)にソリッドゴールド、ロジウムプレート、ツートーンをそれぞれ選択できます。また、やはりストレッチゴールの達成により、ローズゴールドカラーのニブも追加されています。
誠蒔絵(True Maki-e)は蒔絵を施した最高級モデル。2012年、日本から米国への桜寄贈100週年を記念して、ベクスレーとワンチャーのコラボによる桜蒔絵万年筆が発売されており、その際の図案がこの誠蒔絵にも採用されているようです。デザインはワンチャー社長、岡崎 太造 氏によるもの。ワンチャーの漢字表記「萬佳」 の文字も入っています。
ペン先は漆モデルと同じで、18kか14k、仕上げ3種+ローズゴールドが選択できます。
夢万年筆のプロジェクトは、1月26日のスタートから当記事作成時点で、150万円の初期目標に対し、2495万円を集めるという大きな成功を収めており、3つの拡張ゴールを軽々と達成しています。
バリエーションや追加付属品の有無、アップグレードなど、少々複雑になっていますが、とりあえず最小構成の誠エボナイト(ステンレスニブ)一本を手に入れる場合、20600円からの早期割支援プランがまだ残っていました。これを金ペンにする場合は+11000円、漆塗り螺鈿細工のペン枕を付属させる場合は+2200円、純銀ローラーストッパーを装着する場合は+3300円の追加が必要となります。軸色、ニブの素材、ニブの色、筆記幅、ペン芯の色、オプション関連など、選択が必要な部分は後に送られるアンケートで指定します。送料は無料。
また、誠漆の場合は現在のところ早期割で42600円以上、誠蒔絵は早期割で121500円以上のプレッジが必要です。他の高級漆塗り万年筆と比べるとまだ安価と言えます。
ちなみに製品のプロトタイプは海外有名ペンレビュアーにレビューされており、キックスタータープロジェクトページにリンクがあります。
[Dream Pen 夢万年筆: True Ebonite Fountain Pens with Japanese Art (KICKSTARTER)]
[WANCHER(夢万年筆 プロジェクト日本語ページ)]
[WANCHER ]